既存オンプレシステムでSigfoxデバイスを利用

既存オンプレシステムでSigfoxデバイスを利用

ここでは、既存システムが存在する状態で、新たにSigfoxデバイスからの信号を取り込む場合の構築例を紹介します。
Modbus通信が行えるシステムであれば、簡易に遠隔地の状態監視が行えます。

既存のシステムでSigfoxが使えるのか?

SigfoxなどのLPWA無線通信を利用したIoTデバイスを利用することで、遠隔地の設備状態の取得が容易になったと言われています。しかし、現実的にはLPWA通信を利用したセンサーデバイスの値をオンプレ型の既存システムへ取り込む場合には、以下の課題があります。

・Sigfoxデバイスと既存システムは直接通信できない
・既存システムはクラウドと通信する仕組みがない
・センサーから送信される12Byteのデータをデバイス毎の変換が必要

従来の計装システムでは、一般的にインターネットには繋がらない閉じたネットワーク環境で構築されます。これは、PLCなどの計装機器のみと通信できれば十分であり、外部との接続によるセキュリティリスクを防ぐためです。そういった背景から、クラウドなどの外部との通信機能が無いため、Sigfoxクラウド上に蓄積されたデータの取得が行う事が出来ません。

一般的なModbus機器としてSigfoxを利用する

上記の課題に対して、SigfoxModbusゲートウェイを利用することで、既存システムに大きな改造を必要とせず、通常の監視ポイント追加と同様な作業で遠隔監視を実現することが可能となります。

ゲートウェイの働き

既存システムとSigfoxデバイスを連携させるために、SigfoxModbusゲートウェイを利用します。
SigfoxModbusゲートウェイは、予め登録したデバイスデータをSigfoxクラウドに対して定周期通信を行うことで、ローカル環境に取得してきます。
取得したデータはデバイス種類毎の電文変換仕様に基づいて、接点情報のON/OFFや数値データへ変換されます。
変換されたデータはModbusアドレスへ割付されて、ゲートウェイにアクセスしてきた上位システムや計装機器からのデータ取得要求に対して保持している値を返信します。

上位システムからはSigfoxModbusゲートウェイは、通常のModbus通信機器として見えるため、利用側ではクラウドとの通信を一切意識する必要がありません。

Modbusで取得できる

上位システムを構築しているソフトウェアの種類にもよりますが、Modbus通信に標準対応しているものがほとんどと思われます。よって、通常の監視ポイントが増えたときと同様に、Modbusインターフェースを持つ通信機器としてSigfoxModbusゲートウェイを追加登録してから、アドレス登録(タグ登録)することで値の取得が可能となります。

値取得後は、通常の信号と同様にロギングや警報設定を行うことでSigfoxデバイス値を利用することが可能となります。
なお、アナログコンバータは4-20mAの信号を4,000~20,000の値として取得するので、温度や圧力などへの工学値変換は上位システムにて実施します。

ゲートウェイを稼働させるPC

SigfoxModbusゲートウェイはWindowsアプリケーションとなります。
一般的なWindowsPC上で動作することも可能ですが、24時間365日稼働するソフトですので、弊社では以下のようなIoT向けの産業用小型PCを推奨しています。

耐久性に優れた小型PCを利用することで、場所を取らず盤内への設置も可能となります。

写真画像はインターフェース社製
SuperCD mini IoT向けエッジコンピュータ
92(W) × 80(D) × 36(H)

なお、既存システムがWindows上で稼働している場合は、そのPC上にインストールして頂くことで、別途PCを用意することなくゲートウェイを利用出来ます。
ただし、注意点として使用メモリ量などは多くはありませんが、既存システムと同一PC上で稼働させる場合は、既存システムを構築された業者殿へ容量などを確認の上でご利用ください。(既存システムの保証対象外となる可能性があります)

弊社での構成では、SCADAソフトのFA-Panelで構築した施設管理システムと、SigfoxModbusゲートウェイを同一PC内で稼働させるケースが多いです。BA-Panelと組合せた事例も確認しております。
また、お客様環境でのネットワークセキュリティポリシーにより、制御系と情報系のネットワークを分けるLANカード2枚構成もあります。

既存システムでSigfoxデバイスを利用できる

すでに既存システムが稼働している環境でも、SigfoxModbusゲートウェイを利用することで、システム更新不要で遠隔地の情報を新たに追加することが可能です。
これまで通信線や電源などの配線工事費用が負担となり、諦めていた設備や施設の監視を実現する構成としてご活用頂ければと思います。

弊社ではお客様の要望や既存システム構成に合わせた機器構成の構築やソフト開発を行っております。
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